私はカツカレーにはうるさい。
このエントリで書いたように、「いいカツ」と「いいカレー」を単純に組み合わせただけでは良いカツカレーは成立しない。
ところが、先日「かつや」でカツカレーを食ったら、まさにこれこそが私の主張していた至高のカツカレーではないかと思ったのだ。
カツカレーは組み合わせの妙である。「いいカツ」と「いいカレー」を用意しても、
別々に食った方が美味いじゃん
ということになると、「カツカレー」にする意味がない。1+1が2になる程度ではダメで、出来れば3とかになって欲しい。これがカツカレーに求めるものである。
そんなこともあって、実はあまりカツカレーは注文しない。ほとんどの世の中のカツカレーは、
カレーにカツ載せときゃいい
みたいなものが多いからだ。1+1が2どころか1.2くらいで終わっている。そのくせ値段だけは1+1だったりする。
なのであまりカツカレーを注文しないのであるけど、先日ちょっとした気の迷いで「かつや」でカツカレーを注文してしまった。
食べてびっくり。これこそ至高のカツカレーではないかと思ったのだ。
何が凄いって、ここのカツカレーは
- カツが主張しすぎない
- カツの味を邪魔するものがない
- それぞれを単体で食べるよりずっと美味しい
のである。
「かつや」のカツなのだから、名店の素晴しいカツではない。おそらくここでカツ丼で使っているのと同じカツだろう(後日気がついたが実は専用のカツだった)。単体で食べたら「不味いわけじゃないけど素晴しく美味しいわけでもない」程度のカツである。その辺のお惣菜のカツよりは美味いと思うけど。
他方、これが名店のカツだと
「これ、カレー邪魔だよね」
ということになるだろう。美味しいカツなら、カツカレーなんかにしないで、むしろ単体で食べたい。でも、ここのカツはそこまでじゃない。まぁ、カツ定食のカツは単体で勝負出来るようなカツだと思うけど。
しかし、普段にカツ丼で使って平均以上の味(当社比)だから、不味いカツでもない。コンビニ弁当の高い不味いのカツ丼を食うより、ずっとお得だ。
「カレー屋のカツカレー」って、だいたいカツが残念である。カツなんて「ついで」でしかないんだから。下手すればセントラルキッチンで揚げたものか、その辺のお惣菜屋で買って来たものだったりする。それだと干涸びたようなカツになって美味しくない。そんなカツカレーによく当たる。それゆえ、滅多に注文しないだが。
カレーの方に目を向けると、「かつや」のカツカレーのカレーにはほぼ具が入ってない。てか、直接的には具の存在を感じない。完全に
ソース
と化している。人参の破片すら見えない(入ってないのかも知れない)。それでいて、単なる「カレーソース」じゃなくて、ちゃんとカレー。とても美味い。「カツ屋」なのに、どうしてそんなに美味しいカレーを提供するのだろう。でも、いくら美味くてもこれだけ御飯にかけて食べたら、ちょっと寂しい。なんせ具がない。そういったカレーだ。
そういったものが合わさっての「カツカレー」なのだ。カツとカレーが手を取りあって、それぞれ単体で食べるよりもはるかに美味しいものになっている。実に完成度の高いカツカレーになっている。
「ゴーゴーカレー」のカツカレーは、結局カツが邪魔な感じになったりするし、日の出屋のカツカレーも同じ。ココやC&Cはただの「カツトッピング」でしかない。かと言っていわゆるインドカレー屋にはカツカレーない… とか考えたら、今のところ「かつや」のカツカレーは
至高にして究極
と言って過言ではない。